今回は反り腰の改善が、走りの改善にもつながった話をします。
ランニングへの効果としては、

まず接地の際に、地面をしっかり踏めるようになり、地面からの反発も以前より得られるようになりました。
足の動きにもよい影響があり、ミッドフットでの接地がしやすく、足の回しやすさも感じるようになりました。

反り腰と骨盤の前傾・後傾とは?

骨盤の前傾・ニュートラル・後傾を姿勢の変化とともにわかりやすく描いた図

以前、私は右内転筋の肉離れをきっかけに整形外科に通院していました。
ここでのリハビリテーションでいくつものエクササイズを習ったのですが、その多くでキーとなったのが、
「骨盤の後傾」という動きでした。

もともと私は、立位や歩行、運動時にも「反り腰 (そりごし)」になる癖がありました。
反り腰は、骨盤に注目すると「前傾」(上図左)している状態です。

これを直接指摘されたわけではありませんが、ほとんど全てのエクササイズで、

「腰を丸めて」
「背中の隙間をうめて」
「上半身ではなく、骨盤を動かして」

という指示を受けました。
これには、骨盤を後傾させる動きが求められます。

骨盤を後継させて、腰の後ろの隙間を埋める動きを示した写真

(写真左) 骨盤の向きを特に意識せずに、壁に背中をつけた状態です。
腰 (腰椎) のあたりで背中と壁の間に空間ができています。

(写真右) 腰の後ろにあった空間が埋まっています。
この状態を誘導するのが、「骨盤の後傾」です。

この骨盤の後傾を意識しながらエクササイズを続けることで、自分で骨盤の角度をある程度コントロールできるようになりました。
これにより、片足立ちや片足スクワットでのふらつきがほとんどなくなり安定しました。

そこで、

「走る時にも骨盤の角度を変えることで何か良い変化が出るのでは?」

と考えた私は、担当してくれた理学療法士のかたに聞いてみましたが、

「走るときは特に意識しなくていいです」
「エクササイズの結果として、無意識でも姿勢や動きが安定するのを狙っているので」

とのことでした。

しかし気になった私は、あるとき骨盤の角度を何パターンか変えて走ってみました。

骨盤をニュートラルにすると反発をもらいやすかった

走りながら、元の反り腰 → 骨盤ニュートラル → 骨盤後傾、の順に角度を変えて違いを体感してみました。

この中で最も走る感覚が良かったのはニュートラルくらいの角度でした。
そのため、走るときに意識するのは「後傾で走る」ことではなく、反り腰を弱めてニュートラルに近づけることだと思いました。

走り自体の違いとして感じたのは、

・地面をしっかり踏める
・接地時に地面からの反発をちゃんともらえる
・ミッドフットでの接地がしやすい
・足が回しやすくピッチを上げやすい

という点でした。
これらはフォームの修正で目指す項目とも一致するかと思いますが、私には骨盤の角度修正が効果的でした。

骨盤を後傾方向に動かすと、オーバーストライドになったりヒールストライクになったりしないかと心配しましたが、そのようなことは起きませんでした。

最終結果としてすごく速くなったわけではありませんでしたが、元の走りと比べると、ペースの上げ下げがしやすかったり、登り坂でも楽に走れている感覚があります。
楽に感じられるペース帯が広がったと思います。

少しの違いがいくつものポジティブな違いを生み出せた幸運な体験でした。

反り腰のランナーには同じような効果があるかもしれない

もともとの私の走りは、反り腰の影響から、

・足が流れやすい
・流れた足を戻すのに余計な力が必要 → 内転筋の怪我につながったかも
・地面をしっかり捉えられない → 反発が十分得られない

という弱みがあったと思います。

普段の生活習慣や続けていた他のスポーツの影響などから、反り腰が癖になっている人は少なくないと思います。
私のようにランニングフォームが完成していない初心者のかたで、反り腰があるかたはニュートラル方向への修正を試してみるといいかもしれません。

誤解のないようにお伝えすると、骨盤を強く後傾させて走るという意味ではありません。
私の場合は、もともと反り腰で骨盤が前傾しすぎていたため、それを後傾方向に戻す意識で、結果としてニュートラル付近にできたのが良かったのだと思います。

骨盤の動かしかたは上の写真を参考にやってみてください。

ただし、腰痛や股関節痛がある場合、無理に骨盤の角度を変えようとするとかえって痛みが出ることもあります。
痛みがある場合は、理学療法士や医療機関で相談しながら行うのが安全です。

臀筋・内転筋・ハムストリングの連動にも役立つ

いずれ記事にしたいと思いますが、この「骨盤の後傾」はエクササイズの効果を上げるのにも役立っていると感じます。

エクササイズにはいくつかの種類がありますが、骨盤の後傾を作って行うと、

・臀筋に刺激が入りやすい
・臀筋と他の筋肉の連動を体に覚えさせられる
・片足立ちで行うエクササイズや動きづくりが安定する

という効果を実感します。

ランニングは片足で体を支えるということを連続して行うものですから、片足立ちの安定感はそのまま走る姿勢の安定につながると思います。
その結果として、姿勢制御のために余計な場所への負荷がかからなくなり、怪我の予防や疲労の軽減に役立っていると感じます。

まとめ

今回の経験で感じたのは、ランニングフォームを細かく意識する前に、まず自分の姿勢や骨盤の位置(向き)を見直すことも大事だということです。

私の場合もともと反り腰の傾向があり、骨盤が前傾しすぎていたのだと思います。
リハビリで骨盤を後傾方向に動かす練習を続けたことで、骨盤の角度を少しずつコントロールできるようになりました。

走る際には反り腰を弱めてニュートラルに近づける意識を持つことで、接地感や地面からの反発、足の回しやすさに良い変化を感じました。
反り腰からニュートラルに動かすのには、「骨盤後傾」の意識が役立ちました。

反り腰気味で、走っていると足が流れやすい、地面からの反発をもらいにくいと感じているかたは、骨盤の位置を見直してみる価値はあるかもしれません。

今後も引き続き、怪我をしにくく、楽に走れる体の使いかたを探していきたいと思います。

みなさんは、骨盤の位置や姿勢を意識したことで、走りが変わった経験はありますか?
私のような体験がありましたら、ぜひ教えてください。